魔法科高校の劣等生

The Irregular at Magic High School
情報

シノプシス: かつて「超能力」と呼ばれていた先天的に備わる能力が「魔法」という名前で体系化され、強力な魔法技能師は国の力と見なされるようになった。20年続いた第三次世界大戦が終結してから35年が経つ西暦2095年、魔法技能師養成のための国策高等学校の一つ、国立魔法大学付属第一高校に、エリートとして将来を約束された「一科生(一課生)」の妹と、その補欠である「二科生(二課生)」の兄が入学した時から、卒業するまでの物語である。 四葉家という秘密主義の家系の次期当主候補として将来を縛られた妹・深雪と、そのガーディアンとしてやはり束縛されている兄・達也が、自分たちの自由を掴み取ろうとする物語が大筋となっている。兄妹の高校在学期間を舞台とし、「優等生」も「劣等生」もひっくるめた、学内・学外を問わない多数のキャラクターの物語が繰り広げられる。 入学式から3学期の終わりまで(3年遡った回想エピソードも含む)を描いた「初年度の部」が完結しており(全6編)、進級後を描いた「二年度の部」が2016年9月まで刊行された(全5編予定だったが、「南海騒擾編」を含む全6編が発刊された)。更に次の年度「三年度の部」が2017年2月から現在刊行中で全4編が予定されており、全16編で作品完結予定である[注釈 2]。 「初年度の部」は、全国魔法科高校親善魔法競技大会(通称「九校戦」)や全国高校生魔法学論文コンペティションなど、全国の魔法科高校の生徒が集う高校行事を軸にして、大亜連合やUSNA(北アメリカ大陸合衆国)といった他国の魔法師との戦いが展開する。 「二年度の部」では前年度のエピソードを受け継ぎつつ、国内の魔法師集団「十師族」同士の陰謀争いが色濃くなり、そこに海外からの陰謀も絡みあう中で、平穏を守ろうとする魔法科高校の生徒たちの奮闘が描かれる。進級に応じて達也の立場も変化し、作者曰く、物語は「魔法科高校の革命児」とでも呼ぶべき様相を呈していく。 本編28巻のあとがきにて、「追跡編」の下巻、「奪還編」、「未来編」、短編の「卒業編」で完結すると発表された。 エピソード一覧 本作品は、単独で完結する複数のエピソードから構成されており、各編は1巻から3巻の長さがある。 初年度の部 第一話「入学編」(上・下) 司波達也と司波深雪はそろって国立魔法大学付属第一高校に入学した。深雪と同じクラスの北山雫、光井ほのか、達也と同じクラスの千葉エリカ、西城レオンハルト、柴田美月らと兄妹は親しくなり、しばしば行動をともにするようになる。深雪は生徒会の一員となり、達也は風紀委員会の一員となる。 新入部員勧誘週間を迎え、風紀委員の一人として校内を巡視していた達也は、剣道部の壬生紗耶香と剣術部の桐原武明の衝突に端を発した両部の乱闘を一人で制してしまう。一年生でしかも二科生である達也が校内有数の実力者である桐原をあっさり制圧してしまったことで、彼は校内で注目をあつめることになってしまった。 紗耶香を含めた「学内の差別撤廃を目指す有志同盟」が放送室を占拠し二科生の待遇改善を求める騒動をおこす。生徒会長の七草真由美は、彼らの要求を受けて開催した公開討論会で、堂々とディベートに臨み「同盟」を圧倒するが、その会場に政治結社「ブランシュ」のメンバーが奇襲をかけてきた。 奇襲は実は陽動で、その間に他の同盟メンバーが図書館に侵入し魔法大学の機密データを盗み出そうとしていた。図書館侵入メンバーに加わっていた紗耶香は、自分の信じる目的と行動との乖離に戸惑いを覚える。侵入メンバーたちは乗り込んできた達也と深雪によって制圧され、紗耶香はその場を逃げ出すが、行先に待ち構えていたエリカとの真剣勝負に破れ、負傷して病院に運ばれる。実は紗耶香は催眠術によって過去の記憶を改ざんされ、ブランシュに利用されていたのだった。 自分と深雪の日常を損なうものは排除するとして、達也はブランシュの壊滅を決意する。達也・深雪・エリカ・レオ・部活連会頭である十文字克人、さらに桐原も加わり、本拠地に乗り込むと、ブランシュのメンバーたちはあっという間に無力化されてしまった。リーダーである司一は、紗耶香を利用して彼女の剣を汚したことに怒る桐原によって右腕を一刀両断にされてしまう。 後日、腕の治療と記憶改ざんの影響排除のために入院していた紗耶香が退院することになり、達也と深雪は花束を持って祝福に出向く。入院の間に紗耶香はエリカと互いを愛称で呼び合う仲になり、毎日のように見舞いに通っていた桐原とも親密になっていた。 第二話「九校戦編」(上・下) 達也とレオは、体育の授業をきっかけに同級生の吉田幹比古と親しくなる。幹比古は神童とも称された古式魔法の名手だったが、スランプに陥り、二科生の立場に甘んじていた。校舎内で精霊魔法の鍛錬を行っていた幹比古は、その場にたまたまやってきた美月が「水晶眼」の持ち主であることに気づき興味を持つ。 全国の魔法大学付属高校が魔法競技で競い合う「九校戦」が近づく。達也はCAD調整を担当するエンジニアに抜擢され、深雪は新人戦のエースとして大会に臨むことになる。 大会準備で多忙を極める傍ら、達也は魔法工学の難問とされていた「飛行魔法」の実験に成功し、FLTの牛島らの協力の下、早急に製品化を進めることにする。 国防軍独立魔法大隊の風間晴信少佐は、香港系犯罪組織が九校戦を狙っているらしいことを達也に告げ、注意を促す。競技会場に向かっていた一高選手一行の乗るバスに事故車両が突っ込んできたり、ホテルの敷地内に不審な集団が侵入してきたり、不穏な状況が続く。 大会前夜、全高校の関係者が集うパーティが開催される。挨拶に立った魔法界の長老・九島烈は、自分がデモンストレーションした魔法をすぐに理解した達也に興味を持つ。九島は達也が四葉深夜の息子であることに気づく。一方、同じパーティー会場にいた第三高校一年生のエース・一条将輝は、深雪をみて一目惚れしてしまう。 バトル・ボードの試合に臨んでいた渡辺摩利は事故に巻き込まれて負傷し、以降の出場をキャンセルせざるを得なくなる。チームリーダーの真由美は摩利の代わりに深雪を本戦のミラージ・バットに出場させることにする。 大会中盤に実施される一年生による新人戦で、モノリス・コードに挑んだ森崎たちが試合中に突然崩れたビルの下敷きとなって重傷を負ってしまう。これを受けて達也はレオ・幹比古とともに急遽モノリス・コードに出場することになる。彼らは順調に勝ち進み、将輝ひきいる強豪・三高チームとの決勝戦を戦い、これを制する。達也がCAD調整を担当した一年生女子選手たちは、深雪との直接対決となった雫を除いて全員が全勝を飾った。こうして新人戦は一高の優勝で終わる。 本戦後半のミラージ・バットで、一高三年生の小早川景子が試合中に突如魔法が使えなくなって高所から転落しリタイアを余儀なくされる。しかし深雪は飛行魔法を使用して優勝する。これをもって一高の総合優勝が確定する。 一高の周辺で事故が続いたのは、九校戦を利用した賭博を主催していた犯罪組織ノー・ヘッド・ドラゴンが、本命だった一高を敗北させ利益を出そうとしていたためだった。達也は独立魔法大隊の助力も得て、横浜・中華街にある本拠地に集まっていた幹部たち全員をミスト・ディスパージョンによって抹消してしまう。 大会後のパーティーで、将輝は達也と深雪が兄妹であることにやっと気づいて驚愕するが、達也の許しを得て深雪とダンスを踊る機会を得る。克人は達也に、十師族の一員を相手に勝利したことの意味は軽くないと告げ、結婚を経て十師族の一員になれと助言する。 「夏休み編+1」(短編集)※書き下ろし 「横浜騒乱編」(上・下) 「追憶編」 「来訪者編」(上・中・下) 二年度の部 「ダブルセブン編」 「スティープルチェース編」 「古都内乱編」(上・下) 「四葉継承編」 「師族会議編」(上・中・下) 「南海騒擾編」 三年度の部 「動乱の序章編」(上・下) 「孤立編」 「エスケープ編」(上・下) 「インベージョン編」 「急転編」 「追跡編」(上・下) Web掲載時に各編は「第〜章」とナンバリングされていたが、文庫版では「第〜話」の単位に変更され、また第二話より後はナンバリング自体がされていない。「来訪者編」はWeb掲載時では二編構成であったが、文庫化時に一編に統合された。「二年度の部」からは商業化以降に公開されるエピソードとなる。

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